香りは相手の行動に影響を与えるのか

 

こんにちは。調香師の三代です。

 

今回は、香りで相手の行動に影響を与えることが出来るか？というテーマについて述べたいと思います。

 

 

皆さん、香りを武器にしてモテモテになりたいですよね？

 

また、香りを使ってビジネスで成功出来たら…なんて考えたこと考えたことはないですか？

 

香りは、味覚や聴覚と比べて研究が進んでいないと言われています。

 

確かに、「美味い」や「不味い」、「辛い」、「甘い」等味覚に関する言葉は多いのに嗅覚に関する言葉は「臭い」だけです。

 

「良い匂い」に関しては「良い匂い」としか説明できません。それだけ関心が低い分野かもしれません。

 

しかし、近年香りに関する研究も進み、香りが人間の行動に影響を与えているとの発表も増えています。

 

思えば、嗅覚は五感のうち、唯一大脳辺縁系に繋がっていると言われており、

 

その大脳辺縁系は人間の感情や記憶を司る場所と言われております。

 

この人間の本能と直接結び付く嗅覚には人間を突き動かす影響力があるのではないかと思います。

 

皆さんには、ある香りを嗅いだ時に、昔の母親の香り、彼女の香り、様々な思い出などがフラッシュバックの様に蘇ったことはありませんか？

 

香りは、視覚による情報取得よりも、長期の記憶として定着すると言われております。

 

これも、香りが脳に伝わる時に記憶を司る場所を通るからと言われております。

 

 

人間の性フェロモンに関する情報

 

残念ながら、人が発する性フェロモンの存在に関して確定的な研究はまだありません。

 

しかし、ヒトから発せられる成分が、ヒトの行動に影響を与えるということが分かる研究はあります。

 

2007年カリフォルニア大学バークレー校研究グループは男性の汗に含まれる「アンドロスタディエノン」という物質が、女性の幸福感、気分の高揚、性的興奮をもたらすという研究を発表しています。

 

この「アンドロスタディエノン」という物質は、男性の汗、唾液、精液の中に含まれ、麝香(ムスク)のも含まれているものです。

 

ムスクはジャコウジカが放つフェロモンです。

 

この研究一つでも、人は無意識に匂いで異性を引き付けている可能性があると分かると思います。

 

 

男女による香りに対する評価の差

 

2011年『日経ウーマンオンライン』に掲載された内容によると、男性は94.7％が女性の匂いをいい匂いと感じているが、女性は89.4％が男性の匂いを臭いと思っているとのこと。

 

また、8割の女性が見た目よりいい匂いの男性を選ぶと答えました。

 

よく男は結局顔という説がありますが、意外にも女性は男性の顔よりも香りを重視しているということです。

 

香りによる影響力は対女性間でより強く働きます。

 

常に清潔を心掛け、体臭をケアし、香水を纏うことで女性から嫌われずに済むことはこの掲載から明らかです。

 

ブランディング

 

今や香りは、ブランディングとしても有効です。

 

香りは長期記憶に定着しやすい為、香りとともにその人との思いでも一緒に定着していきます。

 

そして、この人の香りは良い思い出とともにあり、心地よい、安心すると感じるとともにまた会いたいと思わせることも可能です。

 

実際に、ホテル、空港、アパレル業界などで香りを使ったブランディングが広がっています。

 

空港のラウンジでの香りが心地よく、旅の思い出がその香りとともに定着しまた来たいと思わせることが出来ているのです。

 

慣れ親しんだ香りを選ぶようにまたそのサービスを選ぶようになるのです。

 

世界的なラグジュアリーホテルのシャングリラホテルはこの香りブランディングを使用しています。

 

世界中どこのホテルでも同じ香り。ホテルに入るといつもこの香りが出迎えてくれます。

 

この『エッセンスオブシャングリラ』という香りは様々な商品に使用されお土産としても人気です。

 

まさに、香りを武器とした戦略と言えると思います。

 

 

マーケティングとしても利用

 

ブランディングとしても有効ですが、マーケティングとしても香りは武器となります。

 

1998年アメリカシカゴ、嗅覚味覚療法財団アランハーシュ博士がカジノでおこなった実験で非常に興味深い結果が出ました。

 

香りでどれだけの売り上げ増が見込めるか、滞在時間が伸びるかという実験になります。

 

カジノを

①柑橘系の香り

②その他の香り

③無芳香

で営業したところ。

 

①は無芳香時に比べ53.4%売上が上がるという結果がでました。

(②も無芳香に比べ18.7%売上向上)

 

香りがある方が心地よく、リラックスできたため滞在時間が延び売上が上がりました。

 

この結果から、香りがある方がリラックスでき滞在時間が伸びたこと、柑橘系は特にリラックス効果があり、滞在時間を伸ばしたことが分かります。

まさに、香りは人間の行動に影響するのか？という問いに対する答えが出ました。

 

 

まとめ

 

香りの分野はまだ解明されていない部分が多いですが、大なり小なり人間の行動に影響を及ぼしていることが分かりました。

 

香りを上手く武器にして仕事、恋愛を成功に導いてください。

 

朧の香水は、すべて香りでその空間を演出することによって相手に居心地よくなってもらったり、ドキドキしてもらったり、フレッシュさ元気さを感じてもらったりすることが可能です。

 

「空間演出」とうテーマで調香をしております。

 

是非皆様のブランディングのお役に立ちたいと思います。

 

気になる方は下記よりチェックをお願いします。

 

調香師　三代　孟史